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「後悔役に立たず」

記事:布教師 堀 喜晴

 後悔先に立たずということわざは、皆さん知っていますよね? 終わったことをあれこれ後悔しても、どうしようもないってことです。日常でこの言葉を使うとするなら、失敗で落ち込んでいる人を励ますとき、またこれから何かするときに後悔しないように努力しよう、がんばろう、とアドバイスするとき、自分に言いきかせるときに使うのではないでしょうか。

 では後悔役に立たずという言葉は知っていますか?とある有名歌手が歌う歌詞にあるみたいですが・・・。この言葉は後悔先に立たずを言いかえた言葉で、後悔しても全然役に立たないんです。じゃあ後悔しちゃダメなのか・・・。いいえ。後悔したその後が大切なのです。

 失敗しちゃったと後悔したとします。何も考えず後日また同じ失敗する人は後悔役に立たずです。全然成長していません。後悔した後、もう二度と失敗いたしませんと心を悔い改めた人は、その時点で成長しているのです。そして、もう二度と失敗いたしませんと悔い改める行為を懺悔(さんげ)といいます。

 人生はいっぱい後悔するものです。自信家の人は後悔しないかもしれませんが後悔しない人なんていないはずです。そして後悔した後は、きちんと懺悔しなければなりません。懺悔する心を持つことにより個々の人間は成長し、立派に成長した人間が多くなればなるほど、幸せな世界が大きく広がっていくのです。

 日蓮大聖人は『光日房御書』で
「針水にしずむ。雨は空にとどまらず。蟻子を殺る者は地獄に入、死にかばね(屍)を切る者は悪道をまぬがれず。何況、人身をうけたる者をころせる人をや。但大石海にうかぶ、船の力なり。大火もきゆる事、水の用にあらずや。小罪なれども、懺悔せざれば悪道をまぬかれず。大逆なれども、懺悔すれば罪きへぬ。」
と仰せです。

 小さな罪でも懺悔しなければ必ず悪道に堕ちますが、大きな罪を犯した人でも懺悔すれば、その罪は消えるのです。懺悔しなくても良いという方はいませんよね?蚊をパチンと叩いても懺悔しないと地獄行きですよ?人間はこの世で生活している間は、罪を犯してしまいます。自分の知らない間にも罪を犯しているかもしれません。だからこそ常に懺悔は必要なのです。

 懺悔するということは、お題目である南無妙法蓮華経を心から信じ唱えるということであります。信じ唱えることが最大の懺悔でありますので、是非皆さま、南無妙法蓮華経を毎日お唱えしますことをお願い申し上げます。

 最後に、後悔役に立たずにならないように!皆でお題目を!

南無妙法蓮華経

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