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「たおやかさ」

記事:布教師 木村 良勢

 学生時代を終えようとされている方は8月から就職活動が始まりますね。俗にいう就活ですね。いままでそれぞれに個性を発していた髪や服装を相似的に整え、他人と違わないことが良いという日本の風潮も困ったものだなぁと観ております。結局人が人を判断し、それもごく限られた期間内でその方の生涯を左右する。そのような場合は姿形を見るしかないのでしょうか。人とは愚かなものです。

 さて、この年代の方々でも特に女性は就活以外でも様々な状況にあるようで色々な言葉を見聞します。いわく「婚活」「妊活」「モテ」「女磨き」「女子力」これだけお聞きすると、今の若い世代の女性はやることがたくさんあり、かつ精力的に人生を拓く努力をしておられるのだなぁと感心しておりました。しかし、いろいろな方の話を聞きますと内情はそうではないようです。

 婚活ではさも自分や相手を商品のように「市場価値」という言葉で年齢や年収を相対比較しておられるし、妊活では自分やパートナーに妊娠における欠点が無いのか調べ上げ、医学に頼り医学では生み出せない「生命」を創造しようとしています。一昔前では男性が躍起になっていた「モテ」を異性から注目を浴びないと一人前ではないように雑誌等で書き連ね、果てには女磨きや女子力を強くすることが「正義」というような風潮さえお見受けします。

 男女は平等であるべき。確かにそうです。しかし平等と同じは違います。私は男ですから子供を産むことができません。大抵の女性より肉体的に大きいですし、力も強いでしょう。男女雇用機会均等法が施行され、それまで男社会だった場所に女性が進出してきて約30年です。この間にも同法はその時代に合う様に改正され、男女共同参画社会基本法等も施行されました。では実際に生活されている女性の方々はどうでしょうか。いまだに男性や理解のない上司には戦わなければならないのでしょうか。もう少し言えば戦い抜き勝利を手に入れなければならないのでしょうか。

 「戦いに勝者も敗者もなく、ただお互いに傷を負うだけ」という言葉もあります。釈尊は「争いが起こりそうなら、君も相手もいずれ死に消えていく運命だということを意識せよ」と争いの無益さを説かれています。

 今の女性たちに必要なのは争いに勝ち残るための「女磨き」でもなければ「女子力」でもありません。ましてすべての人から「モテ」に思われたい必要でも、自分の人生を共に歩むパートナーは「市場価値」の比較で手に入るものでもなく、また妊娠を医学のすべてに依存することでもないのです。今必要なのは、古典から著されている「たおやかな人」である努力をするべきなのです。

 たおやかとは「たわ」は「たわむ」と、枝などが曲がる様子を表わす言葉です。またそのようなしなやかな女性のイメージです。曲がるが折れることのない、強い女性、優しい女性、そんな言葉です。

 実際にはどんな困難にも立ち向かえる真の強さをもった女性であっていただき、より良き家庭、国家への原動力となられることを切に願っています。

 今一度「原始女性は実に太陽であった」を見直す時期が来たのかもしれません。


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