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「人の心を悟りの世界に導く法華経」

記事:布教師 柳楽 諦謙

 「法華経」は、人の心を悟りの世界に導くために、お釈迦様が説かれたお経です。

 法華経を後に広められた日蓮聖人の御妙判『法蓮鈔』の中に

 「法華経の文字は皆生身の仏なり。我等は肉眼なれば文字と見る也。たとへば餓鬼は恒河を火と見る、人は水と見、天人は甘露と見る。水は一なれども果報にしたがて見るところ各別也。」

という御一文があります。

 この御一文は、「法華経の文字は、一字一字がみな生きた仏である。しかし、私たち凡夫の眼には、ただの文字としか見えない。たとえば、餓鬼にはガンジス河の水が火に見え、人には水に見え、天人には甘露に見える。同じ水でも、見る者がそれぞれ受けている境遇の違いによってそれぞれ別の物に見えるのである。」と説かれています。

 これは、何を意味しているかというと、心の見方を説いているのです。受け取る人によって 見方、感じ方、考え方などが違って見えるのです。人として、自分が当たり前にわかっている事は、相手もわかっていると思うとそれは違います。

 「十人十色」という言葉がありますが、十人いれば、一人ひとり、考え方・好み・性質などが人によってそれぞれ違うという事です。人の心も違うという事です。自分では、人として当たり前だと思っている事が、相手も同じように思っているとは限りません。だからこそ、学校や会社、家庭などにおける日常生活においても、人間関係に悩むのです。

 算数のように、答えが確実に一つしかないのなら、その答えに誰もが納得でき、人間関係もうまくいきます。しかし、人の心は、答えがないがゆえにわかりづらく、対人関係に悩むのです。

 だからこそ、お釈迦様は、娑婆世界の人々の悩みや苦しみを救い、人の心を悟りの世界に導くために法華経を説かれたのです。人として生きてく上で、心の考え方や持ち方の真髄が法華経なのです。法華経の一字一字が生きた仏に見えるように、皆様も心を磨いていって下さい。難しい事ではありません。ただ信じる事です。

 法華経には、ほんの少しでも関わりあえたなら計り知れないほどの功徳を頂ける、と説かれています。皆様も、少しでも法華経の教えに関わってください。分らなくても触れるだけで、きっと、心が救われます。

南無妙法蓮華経 


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