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「ありのままをみる」

記事:布教師 久本慈光

 

 皆様の近くの小学校では「学芸会」という学校行事はおこなわれていますでしょうか。  

 私が小学校だった頃(今から35年程前)には、児童が地域の皆さんに、楽器演奏や演劇発表など日頃の学習の成果を見ていただく「学芸会」というのがありました。

 私の子どもの通っている小学校では、もう大分前にこの行事は行われなくなっていたのですが、昨年私がPTAの会長をさせていただいた時に、校長先生にお願いして「学習発表会」という名前で復活していただきました。お蔭様で先生方も皆さん協力していただき、良い会にすることができたのですが、その準備の過程の中でとても残念な話を聞きました。

 曰く、
(先生)「会長さん、今の小学校では演劇発表というのはとてもやりにくいのです」
(私) 「なぜですか?」
(先生)「クラスの中で誰か1人を主役に決めると、特に低学年の場合、他の子の保護者 さんがなぜうちの子にさせてくれないのかと文句を言ってこられます。 例えば、桃太郎の劇をしようと思ったら、極端な話クラス全員を桃太郎 にして桃太郎の台詞を分けて少しずつ言わせるようにしなければなりません。 ましてや鬼の役なんかを当てたりしたら、絶対文句を言われるので・・・。」

 全員が桃太郎で鬼が1人もいない「桃太郎」なんて、笑い話にもなりません。

 法華経の中に「諸法実相」という言葉があります。難しい解説はともかく、「世の中の全てのものの姿の中に、真実(仏様)の姿が生かされている。だから全てのものはそのままの姿で一番美しく、一番貴い」という意味です。

 我が子が可愛いのはわかります。でも、よく目立つ、格好いい役を演じている我が子でないと愛せないでしょうか。主役を演じている我が子でないと応援できないでしょうか。目立たないけれども、舞台の端っこのほうで、「竜宮城のワカメ」の役を健気に一生懸命演じている我が子の姿は愛せないでしょうか。

 「今この三界は皆これ我が有なり。その中の衆生は悉くこれ我が子なり」とおっしゃっている仏様は、本物の親の温かい目で、社会の片隅で懸命に頑張っている私たち一人一人を見守って下さっています。

南無妙法蓮華経

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