ミニ法話
法華宗真門流ホーム > ちょっと豆知識 > ミニ法話 > 「八つの心構え」

「八つの心構え」

記事:布教師 小西淳昭

 インターネット・SNSって便利ですよね。大概の事は調べることができ、家から出なくても買い物ができるなど、今や私たちの生活に欠かせない存在となりましたが、ネットリテラシーという言葉はご存じでしょうか。
 私はつい最近まで知りませんでした。

 調べてみますとインターネット・リテラシーを短縮した言葉で、リテラシーとは英語の「literacy」からきていて「読み書き能力」という意味です。日本ではある特定分野に関する知識や理解能力のことを指します。この場合はインターネットに関する知識や理解能力で、安全に正しくインターネットを活用するための能力のことを言います。

 ネット環境があれば、誰でも世界中の人たちと繋がることができ、匿名で簡単に情報を発信できるネットは使い手によって善にも悪にもなりえます。トラブルに巻き込まれないため、また他人を傷つけないために気をつける点として、
 1、個人情報の保護
 2、言葉使いなどのコミュニケーション能力
 3、情報の精査能力
 などがあげられていますが、これらの内容は現実世界でも注意すべき内容です。

 では、仏教ではどうでしょうか。お釈迦様は最初のお説法の中で、苦しみの原因である煩悩を消滅させる実践的修行をお説きになります。

 その一つ目は「正見」、真理に沿った正しいものの見方です。
 自己中心の誤った見解を捨てて、この世の有様を客観的に合理的に見るという意味です。人は自身の経験やその時の感情などの要因によって物事を都合よく見ていたり、または否定的に見てしまいます。それをお釈迦様は最初に戒められるのです。

 正見に続き、
 正しい考えをもつ(正思惟)
 正しい言葉を語る(正語)
 正しい行いをする(正業)
 正しい生活を送る(正命)
 正しい努力をする(正精進)
 正しい思念をもつ(正念)
 正しい瞑想をする(正定)
の八つの修行があります。

 これら八つの修行を八正道と言います。このような姿勢で日々の行動を律していけば、苦しみの原因を消すことができるのです。 これらの実践はネットリテラシーにも当てはまります。個人の見解や誤った情報を鵜呑みにせず、自分の発信した情報がどのような影響を与えるか、自分の発信した言葉で誰かが傷つくことはないか、といったネット上の個人が原因で起きている問題も減っていくのではないでしょうか。

 お釈迦様の教えはただの偉人の言葉ではなく、今を生きている私たちが苦しみから離れるための実践的な教えです。お釈迦様は様々な人々を苦しみから救う為に沢山の教えを残されました。

 その中で真実の教えを説かれたのが『妙法蓮華経(法華経)』なのであります。真実かどうかわからない無責任な情報に振り回される前に、遠い過去に確かに存在し、我々衆生がどのようにしたら救われるかを常にお考えくださっているお釈迦様の教えに触れていただけることお願い申し上げます。

南無妙法蓮華経

ミニ法話トップへ戻る

このページのトップへ ▲