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東日本大震災に『立正安国論』を読む

記事:布教師 山口 英泰

2011年3月11日14時46分18秒、宮城県牡鹿半島沖を震源として発生した東北地方太平洋沖地震は、日本の観測史上最大のマグニチュード9.0を記録し、震源域は岩手県沖から茨城県沖の広範囲に亘りました。この地震により、平均10メートル、最大40.5メートルという巨大な津波が発生し、1万6千人の方が亡くなられ、未だ9千人の方が行方不明であります。

 先ず以って、犠牲者の方に対し、心より哀悼の意を表し、お題目の音声を以って、後生善処をお祈り申し上げ、被災者の皆様方には1日も早い復興と、現世安穏を御祈念申し上げます。

  大地震(大津波)発生当時、テレビから流れてくる衝撃的な映像に、誰しもが目を疑い、この世の出来事とは思えない様相でありました。

 日蓮門下の者であれば、『立正安国論』の冒頭の部分を思い浮かべたことでしょう。

 「旅客来りて嘆いて曰く、近年より近日に至るまで、天変・地夭・飢饉・疫癘、遍(あまね)く天下に満ち、広く地上に迸(はびこ)る。牛馬巷(ぎゆうばちまた)に斃(たお)れ、骸骨路(がいこつみち)に充(み)てり。死を招くの輩(ともがら)、すでに大半に超え、これを悲しまざるの族(やから)、あえて一人(いちにん)もなし。」

 一昨年、『立正安国論』奏進750年を迎え、各地で安国論の勉強会等が開催されました。又、奇しくも本年は、阪神淡路大震災の17回忌の年にも当ります。

 大地震の原因は、科学的には太平洋プレートの沈み込みといわれ、世間の多くの人は、その情報に自然現象であって、天災であると思われています。科学的な分析も必要でしょうが、宗教的見地に立って解析する事も、それにも増して必要に思われます。

 「つらつら微管(びかん)を傾け、いささか経文を披(ひら)きたるに、世(よ)皆正(しよう)に背き、人悉く悪に帰(き)す。故に、善神(ぜんじん)は国を捨てて相去り、聖人(せいじん)は所を辞(じ)して還らず。ここをもつて、魔来(まきた)り鬼(き)来り、災起り難起る」

とあり、大聖人は、経文に当たられ、その中から、原因は正法に背き、信ぜぬことから、善神・聖人はこの国を捨て去り、そこに魔や鬼が入り込み災害は出来するのであるとお述べになります。

 その解決法として、宿屋の主人(日蓮聖人)に

 「もし災(さい)を消し、難(なん)を止(とど)むるの術あらば、聞かんと欲す。」

と尋ねると

 「汝早く信仰の寸心を改めて、速かに実乗(じつじよう)の一善(いちぜん)に帰(き)せよ。しかればすなわち三界(さんがい)は皆仏国なり。」

とお答えになられます。

 ここでは、「実乗の一善」については具体的に述べられませんが、公場対決の場で世間に明らかにさるおつもりであり、後に『開目抄』『観心本尊抄』においてお示しになられます。

 その「実乗の一善」とは、法華経にしか説かれていない「一念三千」という法門の事であります。心(一念)と環境(三千)は一つであり、心の乱れが環境に悪影響を及ぼすというのです。

 つまり、衆生の誤った信仰や生き方が、環境に影響を及ぼし、それが、災難を出来させるのである。それを防ぐ為には、早くそのことに気づいて、「実乗の一善」(お題目)の信仰に改めるべきであると仰せであります。

 一昨年以来の政治の混乱(自界叛逆)、昨年末から今年にかけて、中国船の接触やロシアの大統領の北方領土訪問(他国侵逼)、大地震、津波、お米や、飲料水の不足(飢饉)、放射能の不安等(疫病)、『立正安国論』にある「三災七難」が立て続けに起っていることに我々は気づかねばなりません。

  もう、これ以上の国難が続かぬように一刻も早く、自分自身の信仰を改め、周りの人にそのことを伝え、お題目の信仰を勧めねばなりません。


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