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「心にゆとりのお題目」

記事:布教師 辻本純照

 現代はストレス社会と言われ、仕事がやりにくくなっていると言われています。サービス業では、お客さんからの理不尽な要求や雇用主から過度の労働や接客を求められることもあり、また個人情報の取り扱いなどプライバシーに気を付けなくてはいけない。さらに情報通信の著しい普及で便利になる一方、業務の合理化が進み、一人で受け持つ仕事量が膨大になるなど、現代特有の悩みも耳にします。

 一昔前までは、問題視されなかったことも今では細かな制約があり、あらゆる職種で昔とは違った多種多様な悩みがあると聞き及びます。また交通マナーを見ましても、車や自転車の自分勝手な運転で交通ルールを無視するなどのモラルの低下や危険も感じます。このような様々な事柄は避けようとしても避けられず、ストレスの原因になります。

 高祖日蓮大聖人は
「今の世にはなにとなくとも道心をこりぬべし。此世のありさま厭ふとも、よも厭はれじ云々」
と申されております。

 道心とは菩提心や仏道を求める心。物事の是非を判断し、行うべき正しい心であります。現代のストレス社会を考えますと、とても苦しい世の中と感じてしまいますが、この世の中から逃れることはできません。よく考えてみますと、そんな社会であるからこそ、喜びや悲しみなどすべてが自然と見えてきます。困難や苦しみ、悲しみを知るからこそ、人に慈しみの心を向けられるものであります。

 その心には「ゆとり」が必要です。ゆとりが無ければ、苦しみは苦しみでしか無く困難に立ち向かうこともまま成りません。機械にも「遊び」と言われる「ゆとり」が必ず必要です。この遊びが無く張り詰めた状態だと、機械の動力を伝えるベルトやチェーンもすぐに切れてしまいます。逆に緩すぎると簡単に外れてしまいます。車に例えれば、ハンドルやブレーキにも必ず「遊び」が必要です。遊びが無ければ、まっすぐ走ろうと思っても、すぐに轍にハンドルを取られてしまいます。少し減速したい時には急ブレーキになり、ゆったりと乗っていることは出来ません。

 けれど、心に少しの「ゆとり」があれば、現代のストレス社会でも心途切れること無く人生を歩んでいけます。しかし、普段から「ゆとり」を持とうと思っても、なかなか持てるものではありません。そこに南無妙法蓮華経のお題目が心の「ゆとり」となります。困難に立ち向かう手助けとなります。困ったとき、辛いとき、悲しいときに南無妙法蓮華経と心に念じて下さい。声に出して唱えて下さい。お題目の意味は知らずとも、必ず皆様の助けとなり、不思議な力で困難を乗り越えられます。また、楽しいとき、嬉しいときも南無妙法蓮華経と感謝のお題目を心に念じて下さい。声に出してお唱え下さい。不思議な力で皆様の心を満たしてくれます。

 これこそ日蓮大聖人の申される道心の起こり、あなたに仏様が寄り添い人生の道しるべとなります。南無妙法蓮華経とお唱えし、心にゆとりを持ちましょう。

南無妙法蓮華経

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