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連載《法華経は佛教の生命「仏種」である。》
―IT時代の宗教―第2章 第16話

掲載日 : 2011/6/23

妙法蓮華経法師品第十 (上)

法華経を弘む人は〝如来の使者〟

 前品「授学無学人記品」で、法華経の信仰になりきった下根の学・無学の二千人の声聞に対して、「仏記」をお授けになったところで迹門正宗分の三周説法は終り、当品「法師品」から「宝塔品」・「提婆品」・「勧持品」・「安楽品」までの五品は、迹門流通分のご説法になります。  
迹門の序分である「序品」では、智恵の秀れた文殊師利菩薩と慈悲心の深い弥勒菩薩の他、薬王菩薩・観世音菩薩等、八万の菩薩が表面に出て、文殊・弥勒二菩薩の問答から始まりますので、声聞は登場しませんでした。次の、「方便品」・「譬喩品」・「信解品」・「薬草喩品」・「授記品」・「化城喩品」・「五百弟子品」・「人記品」に至る、迹門の正宗分と言われる八品では、舎利弗・目連・迦葉・阿難等の声聞ばかりが表に出て、菩薩は一度も登場されませんでしたが、当品「法師品」に至って、再び薬王菩薩以下八万の菩薩が表面に出て来られ、法華経を世界に弘通する功徳の大なることを、釈尊から聴聞されます。故に、これからご説明申し上げる「法師品」からは、迹門の流通分になります。
釈尊は、薬王菩薩を初めとする八万の菩薩に向かい、現在及び将来にこの法華経の一偈一句たりとも聞くことを得て、一念たりとも随喜するものには、皆「仏記」を授けることを示されて、まず随喜の功徳を述べられます。そして更に「進んで法華経を護持し流布するものは、過去に於て既に無量の徳を積み、大なる願望を発し、衆生を救済せんとして現在に現れた菩薩である。出家と在家の別なく、如来の滅後にたとえ一人に対してでも、法華経の一偈一句を説き弘める人は、すなわち〝如来の使者〟である。」と申されています。 伝教大師は、

  この法を ただ一言も説く人は 四方(よも)のほとけの つかひならずや

と、当品のこころをお詠みになっています。

 

五種法師の修行と功徳

 法華経を護持し弘通するための具体的方法には、受持・読・誦・解説・書写という五つの方法があります。法華経を受持することが正行で、読・誦・解説・書写は助行であります。これを五種法師、または五種の修行とも申します。
正行、すなわち受持の修行とは、法華経を受持し、口にお題目を唱え、意に念じ、身に行うことで、これを身・口・意の三業(さんごう)受持と申します。読は法華経を読む修行、つまりお経本を見て読むことで、誦の修行は法華経を暗誦(あんしょう)することです。読と誦が分けられているのは、暗誦するためには相当の時間と修行を必要とするからです。解説の修行は、行学が進んだ人が他の人のために、法華経の功徳を説明することで、書写の修行は法華経を写経することです。
法華経には、写経の功徳の大なることが説かれていますので、奈良から平安・鎌倉に至る、古い時代の写経は大部分が法華経で、その多くが国宝や重文の指定を受けています。殊に「平家納経」(国宝)は、装飾経の極みとして広く知られております。

 

法華経の写経と荘厳

 奈良国立博物館では、昭和五十四年春季特別展に於て「法華経の美術」展を開催されましたが、この度その成果を、図録『法華経 写経と荘厳』として出版されたことは、法悦の極みであります。以下、その序分からそのまま引用致します。

――わが国の信仰史上、法華経の占める位置はきわめて大きいものがある。その源は仏教伝来直後の聖徳太子による法華経講讃に始まり、律令時代には護国経典として、さらに平安時代には天台教学の基盤的経典として精神界に君臨して来た。また鎌倉時代以降も日蓮による救国実践の仏教として新たな展開を遂げるにいたった。 ともあれ数ある一乗妙典の中でも、その思想内容の面からも、文学的表現の面からも、法華経ほど敬迎され親近されたものはない。その故に各時代を通じて写経の対象とされ、ことに平安時代には法華経八巻ないしは二十八品を恭敬讃歎し、善美を尽して書写し、さらにその装潢(そうこう)(表装)に贅(ぜい)をこらすことが一大盛事をなすにいたったことは広く知られるところである。――

 次に、現存する法華経の古写経の内、特に著名なものを挙げてみましょう。まず奈良時代では、大字法華経・細字法華経・藤南家経等があります。続く平安時代では、前期の遺例は極めて少ないのですが、中・後期になりますと法華経信仰は更に高まりを見せ、公家貴族層の間では競うように写経が行なわれたようで、華麗で優美なものが多くなります。久能寺経・平家納経・扇面法華経を初めとして、紺紙金銀交書法華経・紺紙金字法華経・茶紙法華経・紺紙金字一字宝塔法華経・一字蓮台法華経・一字一仏法華経・比丘尼法薬埋経・竹生島経等、いすれも善美を尽した装飾経が数多く遺され、ほとんどが国宝ないしは重文に指定されております。

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